2021年に総額1,500万円位以上の借金を抱えて自己破産を経験しました。
このブログではその体験をもとに債務整理に関するコラムを書いたり、お金との向き合いについて発信しています。
自己破産の経験をもとに、債務整理関連のコラムも書いていきたいなと思っております。
早速ですが、今回は、債務整理の種類について書いていきます!
私は自己破産をしていますが、ご存知の方も多いように、借金を解決する債務整理の手段は「自己破産」だけではありません。
この記事では、債務整理の種類と特徴を説明し、なぜ私は最終手段とも言える「自己破産」を選んだのかをお話しできればと思います。
読者の方が自分に合った解決策を見つける一助になれば幸いです。
債務整理の種類
任意整理とは
「任意整理」です。任意整理とは、裁判所を通さずに債権者(お金を貸している銀行やカード会社など)と交渉して和解を成立させ、返済条件を見直す方法です。
債権者に交渉と言っても、弁護士や司法書士に交渉を代行してもらうため、自分で手続きを進めるというわけではありません。
任意整理のメリットとデメリット
メリット
- 利息や遅延損害金のカットにより、返済額が軽減される。(現在より返済額が軽減されるので、生活は楽になります。)
- 裁判所を通さないため、手続きが簡単。
- 官報に載ることもないため、他人にバレる心配もない。
- マイホームや車などの財産を手放す必要がない。
- 一部の債権者を外して残りの債権者についてのみ任意整理することができる。
デメリット
- 借金の元金は減らないため、債務を大きく減額させる効果はない。
- 和解の条件が厳しい債権者が多い。(弁護士さん選びが大事ってことですね。)
- 信用情報に傷がつき、いわゆるブラックリスト入りしてしまうため、数年間は新たな借入れやローンが難しくなる。
任意整理がおすすめな人
継続した収入があり、元本だけなら3年~5年で返済できるという方は、任意整理をすることで、生活の立て直しに大きく役立つと思います。
裁判所を通さない手続きという意味でも、可能なら任意整理を選びたいところです。
個人再生とは
個人再生は、裁判所を通じて借金の大部分を減額してもらい、残りの額を3〜5年で返済する再生計画をたて、返済していく制度です。住宅等の資産を手放さずに債務を1/5~1/10ほどに減額できます。
個人再生のメリットとデメリット
メリット
- 借金の大幅な減額が可能。
- 住宅ローンを支払いながら、マイホームを手放すことなく、手続きができる。(住宅ローン特則)
- 車を手放す必要がない。(ただし、車については、住宅とは異なり、ローンを完済している必要があります。)
デメリット
- 裁判所を通した手続きが必要となり、費用と時間がかかる。
- 官報に住所・氏名が掲載される。
- 適用を受けるための条件が厳しい。(「定期収入があり、収入や給料の額が安定している」等)
- 信用情報に傷がつき、いわゆるブラックリスト入りしてしまうため、数年間は新たな借入れやローンが難しくなる。
個人再生がおすすめな人
個人再生は、元本を5年以内に返すのは難しいけど、手放すわけにはいかない財産(マイホームや車)がある、という方におすすめです。
車はまだしも、家がなくなるというのは生活に大きな影響を与えますので、持ち家に住んでいる方で任意整理が難しければ個人再生が有力な選択肢になるはずです。
自己破産とは
自己破産とは、裁判所に申請し、借金を法的にゼロにする手続きのことです。債務者(借りた側)の財産を処分する代わりに、全ての借金が免除さレます。
自己破産のメリットとデメリット
メリット
- 借金が全額免除され、返済の義務がなくなる。
- 最低限の財産(生活に必要な物)は保護される。
デメリット
- 一定程度以上の財産は差し押さえ(没収)されてしまう
自己破産すると没収されてしまう財産
- 価値のある不動産(土地・マイホームなど)や動産(車・貴金属・骨董品など)
- 99万円を超える現金
- 20万円を超える預貯金や有価証券類
- 生命保険の解約返戻金 など
- 信用情報に傷がつき、7〜10年間は新たな借入れやローンが利用できなくなる。
- 弁護士、会計士、税理士のほか警備員など、一部の資格・職業で一時的に働けなくなる。
自己破産がおすすめな人
借金の返済に苦しんでいて、マイホームや車を持っていない方(もしくは家や車を手放すことになっても問題ない方)は、自己破産がおすすめです。
「自己破産」と聞くと、「全てを失ってしまうのでは?」と不安に思う人もいらっしゃるかもしれませんが、家財道具は「差押禁止財産」に該当するため、没収されることはありません。
本当に裸一貫でやり直し、ということにはなりませんのでご安心ください。
お金や財産を持っているのに返済せず破産というのはダメですが、罰を与えるものではなく、借金返済に困っている人の救済を目的とした国の正式な借金救済制度ですので、そこまで無慈悲なものではありませんよ…!
なぜ私は自己破産を選んだか
私も普通のOLで、「自己破産なんかしたら人生の終わりだ」と思っていました。
もうどうしようもなくなって、自己破産という制度について、具体的に調べていく中でも、「官報に掲載されてしまう」ということがどうしても怖く、任意整理で済むならそうしたいところではありました。
しかし、任意整理は、簡単にいうと、「将来の利息をカットしてもらって、元本を分割で返していく」という制度です。そして、その分割期間は、原則3年間、最長でも5年間となります。
こちらのブログで書いたように、私は1,500万円以上借金がありました。
たとえ、最長の5年間の分割を認めてもらったとしても、年間300万円支払わなくてはなりません。12で割って月25万円。
実際は1社1社と交渉することになりますが、単純計算の時点でなかなか厳しい金額であることは明白でした。
個人再生については、私は家も車も所有していなかったので、選ぶメリットがないと考え、検討の土台にあげていません。
資産がない私にとっては、どうせ官報にも載ってしまうので、わざわざ借金の一部が残る個人再生を選ぶ意味がなかったです。
こんな感じで自分の中で「自己破産しかないだろうな」と仮説を立ててから、いくつかの弁護士事務所に相談に行ったのですが、どこも同じ見解・提案でしたので、自己破産をすることに決めました。
当時、手取り月収は35万円程度でした。(年収に占めるボーナスの割合が多い会社に勤めています。)
実家に帰るのであれば、もしかして任意整理も可能だったかもしれませんが、30代の5年間を実家暮らしで借金返済だけのために送るよりも、自己破産して出直したいなという気持ちが強かったです。
相談に行った弁護士さんも、全員、任意整理ではなく自己破産を提案してきたため、当初の想定通り自己破産することにしました。
まとめ
すっごく簡単にいうと、「最長5年で分割して貰えば元金が払えそうなら債務整理」「分割でも元金の支払いが厳しい場合は、マイホームや車があれば個人再生、なければ自己破産」がベンチマークかなと思います。
その上で、司法書士、弁護士などの専門家のところに行って相談するのがお勧めですが、その際注意することは、必ず債務整理に強い専門家を選ぶということです。
任意整理の場合、有利な条件で和解したいところですし、自身の経験では、一言で「自己破産」といっても、費用や期間、手続きの手際の良さなどが弁護士によって全然違ってくると感じました。
債務整理を多く手がけている弁護士さんは、「他のケースでは実際こうなることが多い」みたいな知識が豊富で、心強かったです。
イストワール弁護士事務所さんは、債務整理に特化した事務所でお勧めです。
費用が分割払いできるというのがとても良心的だなと感じました。
債務整理をすることは辛いと思いますが、人生やり直すために、まさに「失敗しない債務整理」をしてほしいです。
私の場合は、借金が払えなくなり人生終わるかと思いましたが、弁護士さんと話しているうちに気持ちも落ち着いてきました。
仕事として淡々と対応してくれるので、思ったより話しやすかったです。
また、実際に契約する前から、「弁護士と相談中です」と言うだけで、取り立てや催促がすぐに停止され、精神的な負担が軽減されました。
弁護士事務所の相談は無料なので、借金の首が回らなくて悩んでいる方は、ぜひ一度連絡を取り、ご自身の状況を話してみることをお勧めします。
また、債務整理を決めている方も、自分が考えている方法が本当に適切か、専門家に意見を求めた上で手続きを進めてくださいね。